模型制作の練習

コスモゼロへの道。

トレーン Nゲージダイキャストスケールモデル N700S

模型制作の練習台ではなく番外として、トレーン社の東海道・山陽新幹線N700Sを改造して西九州新幹線かもめを制作した。制作開始は2023/09/13(水)、完了は2024/02/12(月)。

トレーン Nゲージ N700S改 西九州新幹線かもめ仕様

 

【経緯】

制作開始時点ではお求めやすいお値段、飾りやすい大きさの新幹線かもめの模型が見当たらなかった。トミーテックのかもめは1/160スケールというちょうど良さそうな大きさながら、6両編成で1万円超えとあっては手を出しづらかった(後に先頭車両のみの商品も発売された)。

一方、西九州新幹線かもめと同型である東海道新幹線N700Sについては、トレーン社の先頭車両のみの商品が千円程度で買えたから、これを改造することにした。

贈り物にするつもりだったが、ぶっちゃけ失敗作になったから、贈るのはやめて自宅に飾る。

 

【製品について】

先頭車両のみの商品であり、飾り棚や線路等は付属しない。パッケージやトレーンの公式サイトにはスケールが記載されていないが、模型本体の底面には1/176という刻印がある。

材質については、Yahoo!ショッピングの商品紹介ページによると、本体はダイキャスト合金製、本体に内側からはめ込まれている窓の部分はGPPS(透明性のあるポリスチレン)製、シャーシはABS製、車輪は鉄製である。なお、シャーシ後部には連結器も付いており、これもABS製のようである。

塗装・配色はJR東海の仕様に準じる。扉や窓の位置は西九州新幹線とほとんど同じであるが、左右にある客席の窓のうち先頭から2個ずつは西九州新幹線には無い。ダイキャスト部分の表面は細かい凹凸のある梨地である。

 

【制作過程】

最初は分解せずに窓などをマスキングしてから塗ろうとしていたが、結局分解した。

ダイキャスト部分については、まず西九州新幹線に無い窓枠をプラ板と瞬間接着剤でふさいだ。次に下地としてサーフェイサーを筆塗りし、乾燥後に全体にヤスリをかけて梨地をいくらか平らにした。

図1~4

図1~4

さらに水性アクリル塗料の白を筆塗りし、プレミアムトップコート光沢でコーティングしたのち、エナメル塗料の黒でスミ入れした。

主に赤と黒で描かれる模様や文字は、ネットで拾ったペーパークラフトの型紙データを流用してエーワンのデカールシールで作成し、傾かないように注意しながら貼ったが、それでも左側面後方のシールは少し傾いた。また、先頭部分に貼るべきシールを作るのを忘れたのも失敗だった。

扉と扉のあいだの赤い線はシールで実現したが、前方扉より前と後方扉より後にある赤い線はシールにすると位置がズレそうだったから別途塗ることにした。試行錯誤の末、マスキングテープでマスキングしたうえでマーカーペンで塗り、はみだした赤インクは白の塗料で消した。

図5~8

図5~8

これに青缶のトップコートつや消しを吹いて仕上げた。

シャーシ、連結器も塗装とスミ入れをしたのち、青缶のトップコートつや消しを吹いた。窓の部品のうち左右の先頭2個ずつの窓ガラス部分はニッパーで切り落とした。最後に組み立てて本体は完成。

それとは別に3ミリ角のプラ棒で線路を作り、ダイソーの黒いプラボードに貼り付けて台座にした。ちょうどいい大きさのダイソーのケースに入れたら作業完了。

図9~12

図9~12

 

【感想】

先頭部分を正面から見ると模様の欠落や不出来が目立つ。左側面のシールは傾いてしまった。かろうじて右側面から見ればそう悪くなく、パッと見には梨地もシールの段差も目立たないが、全体としては贈り物にできるような出来映えとは言いがたい。

もたもたするうちにトミーテックからファーストカーミュージアムという先頭車両のみの商品群にかもめも追加され、実売3000円前後で手に入るようになった。贈り物にするならそちらのほうがいい。

これ以前にトミカのかにクレーンを手直ししたことがある。今回はそれの発展形として上手くできるんじゃないかと作業開始前には考えていた。とんでもない思い上がりだったなぁ。実質的には今回も練習。

練習台46号(HG 1/144 ミカエリス)

模型制作練習台46号、HG 1/144 ミカエリスの制作過程のまとめ。制作開始は2024/01/17(木)、完了は2024/01/21(日)。

HG 1/144 ミカエリス

HG 1/144 ミカエリス

 

 

【経緯】

機動戦士ガンダム 水星の魔女」のプラモデル。練習台45号のダリルバルデに続きミカエリスも成形色仕上げで。ただし、わりと整面処理も頑張った45号とは方針を変えて、この46号についてはなるだけ表面をいじらず短期間で仕上げることを目指した。

 

【キットについて】

練習台45号のダリルバルデと違って、全体的に成形色が淡いからウェルドラインがあっても目立たない。見るからに処理せずにはいられないような合わせ目やパーティングラインも特に見当たらない。

パーツ数についても練習台45号より少なくて組み立てやすかった。ただし、右腕の内側に細長いシールをキレイに貼るのは難しかった。

右腕は分離できるようになっており、右腕と本体をつなぐためのリード線と、右腕用のディスプレイスタンドが付属している。本体のためのスタンドは付属しない。この点も練習台45号とは逆。

 

【練習課題】

練習台46号の練習課題は次の通り。

(1) 成形色仕上げ。
(2) 整面処理に時間を割くより制作期間を圧縮することを優先する。
(3) アクリルガッシュによるスミ入れ。

課題(1)のためにはゲート跡が見えなくなるようにゲート処理を行わなくてはならない。それと同時に、課題(2)のためにはゲート処理も他の整面処理も最小限に抑えなくてはならない。したがって、課題(3)のための罫書きも行わないということになる。

そこで、パーツをランナーから切り離したときのゲート処理ではヤスリがけを避け、ニッパー2種類とデザインナイフを使って丁寧に行い、白化が目立つ箇所には流し込み接着剤を点付けして白化が目立たなくなるようにした。そもそも淡い成形色のパーツでは多少白化しても目立ちづらくて助かった。

それでもなおゲート処理が上手くいかなかった箇所もあったが、とりあえずそのままにして仮組みした。その状態で点検をして、気になる箇所だけにはヤスリも使ってさらなる処理を行った。このキットの作りはあまりゴテゴテしていなくて点検しやすかったのも良かった。

課題(3)については、罫書きせずにスミ入れを行った。スミ入れ塗料としてはセリアのアクリルガッシュの黒に微量の台所用中性洗剤(キュキュット)を混ぜ、伸びをよくしてから使用した。面相筆でスジ彫りや窪みに塗料を流し込み、少し置いてから、はみ出した塗料を薄く水を含ませた綿棒で拭き取った。

 

【感想】

いつもなら、点検を後回しにするとゲート跡を見落とすのが心配だから、パーツをランナーから切り離しながらゲート処理をやりきることが多かった。そのため、完成すれば見えなくなる箇所の処理にも時間を費やしていた。今回はそれと違うやりかたを心がけ、キットの特徴のおかげもあって短期間で整面処理を終わらせられた。

もっと複雑なキットでも効率よく作業できるようになりたいところ。

練習台45号(HG 1/144 ダリルバルデ)

模型制作練習台45号、HG 1/144 ダリルバルデの制作過程のまとめ。制作開始は2023/11/25(土)、完了は2024/01/21(日)。

HG 1/144 ダリルバルデ

HG 1/144 ダリルバルデ

 

 

【経緯】

機動戦士ガンダム 水星の魔女」のプラモデルを3個だけ作ってみることにした。主役メカであるエアリアルにはあんまり興味が湧かず、終盤の主役機キャリバーン、見た目がカッコ良くて気に入ったミカエリス、序盤で登場してすぐに主役に負けたがカッコいいダリルバルデの3機。まずはダリルバルデを成形色仕上げで。

 

【キットについて】

もともと配色は単純なので、塗装しなくても成形色で色分けはほとんどできている。発光箇所には付属のシールを貼ればいい。一部のクリアパーツの色が劇中と違うそうだが、個人的にはあんまり気にならないところ。

装甲の大部分は赤いパーツで、表面のウェルドラインが目立ちやすい。

パーツの合わせ目は目立たないかもしくはスジ彫りに見えるようにされており、ほとんど手を加える必要は無い。ただし、赤いパーツの膝頭の裏側にある合わせ目は段落ちになっておらず、なおかつ膝を折るポーズにすると正面からも見えるので、ここだけはスジ彫りに変えるなどの処理をするほうがよさそう。

本体用のディスプレイスタンドが付属している。本体から分離した武装のためのスタンドは付属しない。

 

【練習課題】

練習台45号の練習課題は次の通り。

(1) 成形色仕上げ。
(2) ゲート処理、パーティングライン処理、ヒケ処理、ウェルドライン処理などの整面処理。
(3) アクリル絵具、アクリルガッシュによるスミ入れ。

課題(1)を前提として、塗装しなくてもつや消しだけで課題(2)の痕跡が消えるようにしなくてはならない。全ての箇所を完璧にやろうとすると大変なので、特にウェルドラインについては目立つ箇所に的を絞って1000番以上のヤスリで磨いた。最終的にトップコートつや消しを吹いたらウェルドラインは消えた。

胸パーツの首の左右と肩パーツについては、ゲート跡やパーティングラインを消したときのヤスリがけが不十分で、つや消しで仕上げたあともヤスリ傷がはっきりと見えてしまった。これは明らかに失敗だったが、強い光を当てながら点検すればこういう傷を発見しやすいことを学べたことは良かった。

自分への戒めとしてヤスリ傷はそのまま残そうかと思っていたが、どうしても気になったので後日修正した。胸パーツには再びヤスリを当ててトップコートを吹いた。肩パーツにはトップコートのみ。

課題(3)については、まずスミを入れるスジ彫りや窪みを針やナイフやキサゲでしっかり罫書きした。穴はドリルで掘った。次にスミ入れ塗料を面相筆でスジ彫りや窪みや穴に流し入れ、少し置いてから、はみ出した塗料を綿棒で拭き取った。

スミ入れ塗料としてはセリアのアクリル絵具とアクリルガッシュを使用した。赤いパーツにはアクリル絵具の赤とアクリルガッシュの黒の混色。白いパーツや灰色のパーツにはアクリルガッシュの黒のみ。いずれにも微量の台所用中性洗剤(キュキュット)を混ぜて、伸びをよくしてから使用した。

スミ入れ塗料の拭き取りには、最初は綿棒に百均のアルカリ電解水を薄く含ませてから使っていたが、乾く前なら水道水でも十分に拭き取ることができると判った。

 

【その他】

発光箇所には原則的に付属のシールを貼った。例外的に顔パーツにのみ蛍光アクリル絵具を塗った。キャンドゥで買った蛍光アクリル絵具のセットがあるから使ってみたかった。顔パーツの表面を軽くヤスリで荒らしてから蛍光絵具の黄と緑を塗った。ブラックライトを当てると黄色は光ったが、残念ながら緑は反応しなかった。

完成後に、胸パーツのカドが欠けていることに気付いた。パーツを落としたかぶつけたかしたのだろう。前述のヤスリ傷の修正のときに、併せて欠けた箇所のあたりにヤスリをかけてカド出しを行うことで、その箇所がほとんど目立たなくなるようにした。

 

【感想】

今回の学びをまとめると次の通り。

・パーツの表面を点検するときには強い光を当てるべし。
・アクリル絵具・ガッシュによるスミ入れ。
・その場合の拭き取りは水道水でいけそう。

今回はパーツが未塗装だったから、スミ入れ塗料の拭き取りにはアルカリ電解水と水道水のどちらを使っても良かった。しかし、パーツが水性アクリル塗料やアクリル絵具で塗装済みであれば、アルカリ電解水では塗膜を損なうおそれがあり、水しか使えないだろう。いずれ実際のところを試したい。