模型制作の練習

コスモゼロへの道。

練習台40号(SD GジェネF クロスボーンX2)

模型制作練習台40号、SDガンダム GジェネレーションF クロスボーン・ガンダムX2。制作開始は2023/02/04(土)、完了は2023/04/22(土)。2023年最初の模型。2月中に完成するだろうと思って始めたが、私の見積もりが甘いのは大体いつも通り。

 

【練習課題】

練習台40号の練習課題は次の通り。

(1) セリアのアクリル絵具で塗装する(ただしスミ入れには主にエナメル塗料を使用する)。
(2) 整面処理をちゃんとやる。ゲート処理、パーティングライン消しはもちろん、合わせ目消し、ヒケ処理、カド出し、肉抜き穴埋め、スジ彫り直しも。
(3) なるだけシールを使わない。ツインアイは薄いプラ板で作る。
(4) コミック版に近づける。肩アーマーの内部を加工する。腰のハードポイントを作り直す。ショットランサーの先端を伸ばす。

もともと主要な練習課題として考えていたのは課題(1)だったが、実際には課題(2)~(4)に予想以上に手間がかかって制作期間が長引いた。

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課題(1)について、ネットで作例を見ると、隠ぺい力の強さからアクリル絵具よりもアクリルガッシュを使うことのほうが多いらしい。ただし、ガッシュの塗膜は弱くて剥がれやすいので、可動箇所の多いガンプラガッシュを使うことには不安を覚える。今回は練習ということもあって、セリアの安い絵具を採用した。

課題(1)に関連して、アクリル絵具が定着しやすい下地について事前に検討したうえで水性サーフェイサーを選択した。水性サフによる定着の強さはプライマーほどではないが十分なはずだし、成形色を隠して絵具の発色を助ける効果も期待できると考えた。ただし、実際にはスミ入れの際に絵具が剥げることがあった。

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課題(2)については、胴体側面の合わせ目はうまく消すことができた。頭部の合わせ目も右側は消せた。左側は薄っすらと残ったもののあまり目立たない。両肩の合わせ目はうまく消せず塗装後も痕跡が見える程度に残ってしまった。

なお、頭部と両肩の後ハメ加工はうまくできそうになかったので、課題(4)の作業と併せ、先に内側のパーツを加工・塗装して、次に外側のパーツを接着して合わせ目を消す、という手順で進めた。また、肩のフックの内側にある合わせ目を消す作業も、課題(4)にある肩アーマー内部の作り直しと併せて行った。

肉抜きのうち、後ろから見たときに見える両腕、かかと、背面スラスターの肉抜きはしっかり消した。あご、ショットランサーの肉抜きは目立ちにくいがこれも消した。つま先の肉抜きは、どうせ完成品を立たせている限り全く見えないので、こういう意匠であるということにして残した。

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課題(3)については、ウェーブの厚さ0.3ミリの目盛付きプラ板を初めて使った。切り出したプラ板を丸みのあるパーツに接着すると、少し白化はしたものの折れることは無く、適当にたわんで貼り付いてくれた。塗装も含めてわりかしうまくできたと思う。

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課題(4)のうち、特に肩アーマーの内部の作り直しが難題だった。もともとある目隠し部を切り取って、裏側の肉抜きをプラ板で塞ぎ、さらに正面のバルカン砲の裏側にあるはずの構造物をプラ板の積層で作った。ただし、コミックではバルカン砲の裏側には何も無いように見える。この点は自分のなかでは未だに決着していない。

腰の左右にあるハードポイントは、キット本来の形は楕円だったうえに、胴体の合わせ目を消すうえで邪魔だったから、いったん削り落としたうえでプラ板で正円のものを作り直し、胴体の合わせ目を消したあとに接着した。プラ板をきれいに丸く切り出して整形するためにタミヤのモデリングプレートを使った。これも初使用。

ショットランサーの先端にはプラ板を接着して伸ばした。ただし、完全に尖らせはしなかった。キット本来の形と比べるといくらか尖り気味という程度。

 

【アクリル絵具】

練習台40号の制作を通じて、アクリル絵具の特徴をあらためて確認することができた。

(特徴1) 臭いが無い。普段使っているタミヤの水性アクリル塗料も臭いの少ない塗料ではあるが、アクリル絵具は全く臭わなくて、換気のために窓を開けっぱなしにすることがしづらい寒い時期でも使用しやすかった。この点は非常に好ましい。

(特徴2) 透明性がある。言いかたを変えると隠ぺい力が低い。特に明るい色の色味は下の色に左右されやすく、しっかり発色させるためにはかなり頑張って重ね塗りしなくてはならなかった。

(特徴3) 上の特徴2に関連して、黒と他の色を混ぜると黒が強い。黒を混ぜるときには少しずつ加える必要があった。

(特徴4) 上の特徴2, 3に関連して、塗って乾燥すると透明性が増して色味が変わる。混色するときには目指す色よりも少し明るめに作るようにした。

(特徴5) 塗膜が柔らかい。絵にアクリル絵具を塗ったあとで塗面に触ることは無いが、今回は塗膜をつまんだりしてゴムのような感触があることが確認できた。

特徴2と特徴5が相まってか、完成品全体の質感にも柔らかさを感じる。生物の模型なら好ましい特徴かもしれないが、メカの模型ではあまり好ましくない。

一例として胸の放熱ダクトを挙げる。ここの塗り分けを間違えたことにスミ入れのあとで気付き、黒っぽい塗面のうえから黄色に塗り直した。発色させるため塗り重ねたせいで塗膜はかなり厚ぼったくなり、せっかく罫書きしておいたスジ彫りもすっかり埋まった。その結果、完成品の放熱ダクトの輪郭は特にぼんやりしてしまった。

(特徴6) つやがある。以前に濃いめに塗ったときには筆跡の凸凹が目立ってつやがあることが判りづらく、むしろつや消しにも見えたが、今回は筆跡が残らないように塗ったからつやがあることが確認できた。

その他の特徴として、安い絵具を使ったから恐らく耐光性は低く、いずれ他の模型よりも早く変色する恐れがある。これは完成してすぐには観察できないから、今後の様子を見るしかない。

なお、練習台42号でもセリアのアクリル絵具を使う予定。模型で安い絵具を試すのはそれきりにして、そのあとは水性アクリル塗料を使うやりかたに戻る予定。場合によってはもっと上等なアクリル絵具を使って絵具ならではの効果を求めることがあるかもしれないが、通常は積極的に絵具を使うことは無いかな。

 

【その他】

この練習台40号に着手した時点ではスケールモデルの練習台36号が作りかけのままだったが、複数の理由から40号を優先した。もっと簡単そうなスケールモデル(練習台41号)で経験を積んでからあらためて36号に挑みたいこと。アクリル絵具を塗料として使った場合の評価を進めたいこと。すぐに完成しそうな40号でストレス解消したいこと(実際にはそうならなかったが)。

仕上げのつや消しには念を入れてトップコートを4回吹いた。そのせいかどうか、アップの写真を見るとホコリが目立って残念。

……というわけでいろいろと問題も今後の課題もあるが、自分の今の腕前で苦労したなりのモノは完成したわけで結構気に入った。